簿記3級に合格したからといって、給料が上がったわけでも、仕事が劇的に変わったわけでもありません。正直に言うと、そこまで人生が変わったという実感はありませんでした。ですが、勉強を始める前の自分と比べると、確実に変わったことがあります。この記事では、独学で簿記3級に合格した私が実際に感じた「地味だけど確かな変化」を5つ、できるだけ具体的にお伝えします。
結論から言うと、変わったのは次の5つです。
- 仕訳を見ることへの抵抗がなくなった
- 「毎月いくら払うか」だけでなく、元金と利息を見るようになった
- 「自分は勉強できない」という思い込みが薄れた
- 勉強すること自体が少し楽しくなった
- 次の資格に挑戦するハードルが下がった
それぞれ、なぜそう感じたのかを具体的なエピソードとともに書いていきます。
この記事を書いた人
簿記の知識ゼロ・勉強から長く離れた状態から、独学で簿記3級に合格しました。実際に使った教材や勉強法、つまずいたポイントなどを、実体験をもとに初心者向けにわかりやすく解説しています。
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※本記事は、簿記3級に独学で87点・一発合格した実体験をもとに解説しています。あくまで一例として参考にしていただき、最新の試験情報は公式サイトをご確認ください。
1. 仕訳を見ることへの抵抗がなくなった
勉強を始めた当初、正直「仕訳」という言葉を見るだけで身構えていました。借方・貸方のどちらに何を書くのか、最初はまったく感覚がつかめず、テキストの例題を丸暗記でしのいでいた時期もあります。
それが変わったのは、「合格するための本試験問題集」の第1問(仕訳)を繰り返し解くようになってからです。第1回〜第12回の第1問を一通り解くのを1周として、3周目に入ったとき、初めて15問全問正解できた瞬間がありました。そこから先は、仕訳を見ても「うっ」と身構えることがなくなり、むしろ「このパターンか」と分類できるようになっていきました。
知識そのものより、「分からなかったものが、繰り返せば分かるようになる」という感覚を体で覚えられたことが、一番の収穫だったと思います。
2. 「毎月いくら払うか」だけでなく、元金と利息を見るようになった
実は簿記を勉強する前、200万円の車を7年ローンで購入したことがあります。毎月の支払いは32,900円でした。当時の私は「毎月32,900円なら払える」ということだけを見て契約し、その中身を深く考えたことはありませんでした。
簿記3級を勉強したあと、当時のこの契約を仕訳の考え方に当てはめてみたことがあります。車を購入した時点を仕訳にすると、次のようになります。
(借方)車両運搬具 2,000,000円/(貸方)借入金 2,000,000円
つまり、200万円の車を買って、その200万円を借りたという状態です。そして毎月32,900円を返済するとき、その内訳を仕訳で考えるとこうなります。
(借方)借入金 ○○円/支払利息 ○○円 (貸方)普通預金 32,900円
毎月の支払い32,900円のすべてが借金の返済に充てられているわけではありません。一部は元金(借入金)を減らすためのお金で、残りは支払利息として支払っているお金です。「利息」と知った時の感覚は、正直、「スマホをキャリアで分割契約しているのとそう変わらないじゃん」と思いました。
返済が進むと元金の残高が減っていくため、毎月同じ32,900円を払っていても、元金と利息の内訳は少しずつ変わっていきます。毎月の支払額が同じで、内訳が変わっていくこの返し方を「元利均等返済」といいます。
毎月32,900円を7年=84回支払うと、総支払額は2,763,600円。車の価格200万円との差額は763,600円になります。返済予定表が手元に残っていないため内訳までは分かりませんが、この差額は、利息など車の価格以外に支払ったお金です。この金額を見たとき、思わず「中古車が一台買えてしまうじゃん」と思いました。
当時は「毎月32,900円なら払える」とだけ考えていました。契約時にも返済額についての説明は受けていたはずですが、元金と利息を分けて考える知識がなかった私は、そこまで深く見ていませんでした。簿記を勉強した今なら、「毎月いくら払うか」だけでなく、「そのうち元金はいくらで、利息はいくらなのか」と考えるようになりました。
簿記3級を取ったことで、ローンの数字を見る目が変わった。これは、資格を取る前には想像していなかった変化でした。
3. 「自分は勉強できない」という思い込みが薄れた
長らく勉強から離れていたこともあり、正直、机に向かうこと自体に苦手意識がありました。「今さら新しいことを覚えるのは難しいかもしれない」という思い込みも、どこかにあったと思います。
ですが実際には、知識ゼロの状態から約4週間・トータル80時間ほどの独学で、87点(仕訳45/45・帳簿15/20・財務諸表27/35)で一発合格することができました。「やればできた」という結果が、思い込みを崩してくれた形です。
この変化は、簿記の知識そのものよりも大きな収穫だったかもしれません。
4. 勉強すること自体が少し楽しくなった
これまでの私にとって、勉強は「覚えなきゃいけないもの」でした。義務感が先に立ち、正直あまり前向きな気持ちにはなれなかったタイプです。
ですが簿記3級の勉強を通して、「分からなかったことが、仕組みごと分かるようになる」過程そのものに、少しずつ面白さを感じるようになりました。仕訳が分かると帳簿が分かり、帳簿が分かると財務諸表がつながって見えてくる。この「点と点がつながる感覚」は、今までの勉強では味わったことのないものでした。
その面白さがきっかけになって、簿記や会計に関連する本をたくさん読むようになったり、簿記や会計をテーマにした映画・ドラマまで見るようになりました。「試験に合格するための勉強」だったはずのものが、いつの間にか「知らないことを知るのがちょっと面白い」という感覚に変わっていたのだと思います。
簿記の勉強に少し疲れたときや、もっと簿記・会計に興味を持ちたいときに読んでほしい本を紹介しています。

簿記や会計をもっと身近に感じたい方へ。勉強の息抜きにも楽しめる映画・ドラマを、実際に観た感想とともに紹介しています。

5. 次の資格に挑戦するハードルが下がった
簿記3級に独学で合格できたことで、「自分にもできるんだ」という感覚が生まれました。実際に私は、FP3級→FP2級→簿記3級と資格取得を続けたあと、簿記3級合格を機にITパスポートにも挑戦しました。
資格そのものの実用性以上に、「次も挑戦してみよう」と自然に思えるようになったことが、簿記3級合格の一番の副産物だったのかもしれません。
まとめ:劇的には変わらなかったが、確実に変わったことがある
私自身、勉強から長く離れていました。それでも約4週間・80時間の独学で87点を取り、合格することができました。
簿記3級に合格したことで、人生が劇的に変わったわけではありません。ですが、仕訳への抵抗感、お金の金利に対する見方、勉強への向き合い方、そして次に挑戦する気持ち。自分の中の小さな変化は、確実にありました。
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